日本科学未来館でビョークを観た

日本科学未来館でビョークを観た

フジロックでの巨大なオーディエンスとはちがって、今回はDNAバルーン(小さな風船がたくさん付いた服)の衣装が、ビョークが動くたびにキュッキュッ鳴るのが聴こえるぐらいの近さ。
セットリストはフジよりも『バイオフィリア』がメイン。

こんなに小さな会場で、間近でビョークが歌っていると、比喩ではなくて夢ではないかと思ってしまう。

基本的なライブの感想はフジの時に書いたので
http://ro69.jp/blog/yamazaki/85927
繰り返さないが、
今回は今さら改めて、ビョークがいかにポップ・シーンの先を走り、新しいことをやってきたかを思い知らされた。

エレクトロニックなベースの重低音、パーカッシブなトラック、歌メロに対するハーモニーではない独立したコーラス、マルチカルチャーなメロディーなどなど、
新しい世代のアーティストやバンドが今やっていることをビョークはずっと前から独走する形でやってきたのだ。

日本ではビョークはロック・リスナーにずっと支持されているが、逆に欧米では特殊なアーティストとして「別枠」になってしまっていてメディアでも大きく取り上げられなくなってしまっている。
でも、ジェイムス・ブレイクからダーティ・プロジェクダーズまで、今の先端的ロック/ポップはビョークの音楽の影響下、発想の延長線上にある。その影響の重要度はレディオヘッドに匹敵すると言っても過言ではない。そのことはもう少しはっきりと歴史に記されるべきだろう。
非常に限られた人数しか観れない今回のライブを観て、もう一度そのことを伝えるべきなのではないかと思い、書いた。


ビョークの「特殊性」だけではなく、共有され受け継がれた新たな「普遍性」を再認識させられた。
山崎洋一郎の「総編集長日記」の最新記事
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