ポップ・モードで逞しく成長中!ブロッサムズの来日公演を観た

ポップ・モードで逞しく成長中!ブロッサムズの来日公演を観た - pic by MITSUHIRO GONDAIpic by MITSUHIRO GONDAI

オアシスカサビアンキラーズザ・ポリスデュラン・デュラン、そしてザ・ビートルズ……ブロッサムズの開演前の渋谷XXXには、これらのバンドの曲が流れていた。開演前のSEはバンド自身が選曲することもあるし、バンドに相応しいと思う曲をツアー・クルーが選曲している場合もある。

何れにしても、今回の開演前SEのド直球にしてベタな選曲は、最新作『クール・ライク・ユー』を引っさげてのブロッサムズのステージの露払いとしてピッタリだったのではないか。『クール・ライク・ユー』はまさにビートルズやオアシスやカサビアンに代表されるUKロックの王道と、デュラン・デュランやキラーズに象徴される超絶キャッチーなエレクトロ・ポップの融合を目指した作品だったからだ。

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楽曲のメジャーなポップ・クオリティに対し、あくまで演奏力はインディ・ギター・バンドの線の細さである、というギャップが否めなかったのがかつての彼らのライブだが、今回は『クール・ライク・ユー』の方向性に従って腹を括ったのか、飛躍的に上手くなっていた! 本国では1万人規模の会場を埋めるまでに成長した彼らだけに、この1年で経験値が一気にアップ。

チャーリーとジョーのリズム隊は極太にしてしなやかに鞣され、2人が堅固な土台を作ることでジョシュとマイルズが軽やかに、カラフルにメロディとリフを撒き散らしてもそれがきっちり真ん中のトムに集約されていく。彼らのプロデューサー兼メンターのジェイムズ・スケリー(ザ・コーラル)は「ロックを深掘りするよりポップを磨いたほうがいい」とアドバイスしたそうだが、そんなスケリー兄貴の教えをきっちり昇華したパフォーマンスだったと思う。

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ちなみにポップに集約しづらいサイケデリック系のナンバーは激減していて、その代わり唯一のサイケ曲だった“Deep Glass”はキング・クリムゾンばりのフリーキーな構築をやり切り、さらにファンク・インプロを挟んでから“Charlemagne”になだれ込むメリハリも最高! 途中でフィルター・ハウスを入れ込んだりと、自分たちのとっておきのアンセム“Charlemagne”をアップデートしていこうとする心意気にも拍手だった。逞しく成長を続けるブロッサムズ、それでも今も変わらず「サンキュー・ベリ“モッチ”!」なのもホッコリしました。(粉川しの)

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