来日直前! グレタ・ヴァン・フリートはなぜ「ロックの未来」なのか? その理由を解き明かす

来日直前! グレタ・ヴァン・フリートはなぜ「ロックの未来」なのか? その理由を解き明かす

グレタ・ヴァン・フリートを初めて聴いた時、誰もがレッド・ツェッペリンをイメージしたと思う。けれど、それがただの模倣であったならここまで世界的に注目を集めるバンドにはならなかっただろうし、彼らの音楽はもちろん、そこに止まるものではなかった。この「音」と「歌」が現代に求められている「時代の音」であることは、彼らの最新作を聴けば本能的に理解できる。だからこそ、往年のZEPファンは彼らを肯定的に受け止め、若い音楽ファンも彼らの音に熱狂する。

2017年のシングル“ハイウェイ・チューン”で彼らの音楽に引き込まれた。それこそその衝撃がレッド・ツェッペリンを思い起こさせてしまうものだったわけだが、そのイメージを自ら塗り替えていくかのようにリリースした2018年の1stアルバム『アンセム・オブ・ザ・ピースフル・アーミー』の1曲目“エイジ・オブ・マン”で、予想を超えたスケールの大きさに再び驚いた。

そしてラスト“ラヴァー、リーヴァー(テイカー、ビリーヴァー)”まで、彼らはこの作品を通して「人間の生」を描いているかのようで、その壮大な世界観と不思議なエネルギーに圧倒された。彼らが音楽で表現したいのは、「○○の再来」とか「古き良き時代の再現」みたいな単純なことではないことを、このアルバムははっきりと証明している。


そして、グレタ・ヴァン・フリートの存在が「ロックの未来」だと称されるのは、逆説的だがそこにロックのルーツにあるべき「ブルース」がしっかり息づいているからだとも思う。この骨太で本質的でヘヴィなロックンロールの音は、今の時代にこそ求められている音だ。「ロックの未来」とは、若いリスナーがこうした明確なルーツに根ざしたロックンロール──しかも強烈なグルーヴと衝撃を携えたサウンドとエモーショナルな歌──に熱狂する、そんな時代が訪れたことを指すのだと思う。

「今」求められている音に「リヴァイバル」と名付けるのは似合わない。グレタ・ヴァン・フリートの音を聴いていて、そんなことを思ったりもした。今年のグラミーで最優秀新人賞を含む4部門にノミネートされたこともニュースになっているが、やはり彼らのロックンロールに「未来」を期待するのは必然の流れだ。

さて、昨年のサマソニでは直前に出演キャンセルのニュースが飛び込み、残念に思っていたファンも多かったはず。しかし、待望の初来日、単独ライブがもう目前に控えている。彼らが奏でてくれるであろう極上のロック・グルーヴに期待感は高まるばかり。これは見逃してはならない。(杉浦美恵)




1月22日から25日にわたり東阪3公演が開催される、グレタ・ヴァン・フリートのジャパン・ツアーの詳細は以下の記事より。

「現代のレッド・ツェッペリン」グレタ・ヴァン・フリート、来日公演が決定!
グレタ・ヴァン・フリートが、来年1月に来日公演を行うことが決定した。 デビュー・アルバム『アンセム・オブ・ザ・ピースフル・アーミー』を引っさげ東京・大阪で3公演が開催される。 来日公演の詳細は以下。 ●来日公演情報 【大阪】 2019年1月22日(火)…
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