【サマソニ総復習・1日目】B'z、The 1975、ウィーザー、ザ・ストラッツ、フォール・アウト・ボーイらを観た!

【サマソニ総復習・1日目】B'z、The 1975、ウィーザー、ザ・ストラッツ、フォール・アウト・ボーイらを観た!

サマーソニック20周年、10年ぶり2度目の3日間開催となった記念すべき年の初日は、東京・大阪共に台風の影響をもろに受けて波乱含みの幕開けとなったが、そんな東京金曜日のハイライトとなったアクトのひとつが、The 1975だったことに異論はないだろう。傑作『ネット上の人間関係についての簡単な調査』で時代のゲーム・チェンジャーとなった彼らの勇姿は、ひたすらアッパーかつチアーに高揚へと誘うオープニングから既に鮮やかで、サックスも加わっての“Sincerity Is Scary”や“It's Not Living (If It's Not With You)”のランニング・ダンスなんかはもう最高にアガる! 「カモン!」、「ラウダー!」とオーディエンスを煽りまくるマシュー・ヒーリーのバイタルも思いっきり躁状態で、スタンドの最上部までぎっしり埋まったスタジアムにそのテンションが伝播していく。


しかし、それも細切れにされた情報や感情の海原で彷徨う“I Like America & America Likes Me”あたりから徐々に分裂気味になっていって、サウンドのテイストとマシューの喜怒哀楽の次々にゆらぎ変貌していく。そして、ポップだけれどポップなだけじゃない、楽しいけれど死にたい、悲しいけれど美しい、ロックじゃないけれど何よりもロック、そんないくつもの曖昧の狭間の中に誰しもの感覚にピタッとフィットする「今」を見出していったのが、この日の躁鬱のアップダウンが激しいThe 1975のパフォーマンスだったと感じた。

日本酒(大吟醸)のラッパ飲み(しかもチェーサーがポカリという極悪マリアージュ)が効いたのか後半のマシューはぶっちゃけヘベレケで、呂律が怪しかったり足元が覚束ない場面も多々あった。しかしそれすらも一瞬も目が離せない生身の彼を感じさせるもので、しかもヘベレケなのに歌もダンスもやるとなったらひたすら全力なのだ。ぶっ壊れた世界を容赦ない筆圧で描写していくThe 1975史上最高のポリティカル・ソングである“Love It If We Made It”を、拳突き上げながら殆ど怒鳴るように歌い訴え続けたその姿は、トレンディなポップ・スターを演じていたかつてのマシュー・ヒーリーとはまるで別人だし、彼らが『ネット上の人間関係〜』で遂げた覚醒はかくも凄まじいものだったということがわかる。

スクリーンには「ROCK & ROLL IS DEAD / GOD BLESS THE 1975」とメッセージが浮かび上がる。彼らこそがロックが死んだ時代のロック・バンド、ぶっ壊れた自我を常態として抱えて生きるモダン・エイジを代表するロック・バンドなのだと強く、強く思った。通算4度目のサマソニ出演。デビュー以来サマソニと共に成長してきたThe 1975が、テン年代最後のサマソニにこうして歴史的ステージを刻むに至ったことは運命だったのかもしれない。


この日の海浜幕張は、終日強風が吹き荒れていた。その影響をとりわけ大きく受けたのがMARINE STAGEのアクトの演奏で、強風をもろに受けて音が流れてしまうため、特にスタンド席などで聴こえづらくなる瞬間が多々あった。しかし、その悪環境をものともしないサウンドの圧倒的強度でスタジアムを制した王者が、もちろんB’zだった。ギターをメタリックな爆音で走らせ、大きくうねらせるB’zのパフォーマンスにとってむしろ強風すら引き立て役で、稲葉浩志のボーカルが嵐を突き抜けてスタジアムに満ちていく光景はまさに圧巻、サマソニ初の日本人ヘッドライナーが彼らであった必然を改めて感じた。あの時スタジアムにいたB’zのファンとそれ以外のオーディエンスを分けていた壁のようなものは、 “ultra soul”、“裸足の女神”と曲を重ねるたびに次々に打ち壊されていく。日本のロック・ファンの、いや、日本人の共通体験として刻まれた楽曲がもたらす一体感はやはり破格だ。


スタジアムの開放感、フェスの一体感を感じさせてくれたのはウィーザーも同様だった。この日のセットリストは超厳選された彼らの名曲中の名曲と『ティール・アルバム』収録のカバー曲(“Africa”、“Take On Me”)という完全にシンガロング仕様のフェス・セットで、全曲大合唱の勢いで満員のスタジアムが揺れに揺れる!ゆっくり日が傾いていく午後のピースフルな空気も彼らにピッタリだったし、リヴァースの日本語MCも絶好調でオーディエンスとの間に温かな交流を生み出していった。


スタジアムのトップバッターとして最高の号令を鳴らしてくれたのはザ・ストラッツだった。「『ボヘミアン・ラプソディ』以降」のクイーン・ブームに沸く今日この頃だけれど、彼らはもはやクイーンとの比較で語るべきゾーンを超えた堂々たる風格で、ハード、ラウド、メロディアスの三位一体に磨きがかかっていた。


幕張メッセのステージももちろん熱かった。シンガー・ソングライターのステージと言うよりも凛々しいバンド・サウンドの白熱で正面突破していったサム・フェンダーや、ステージの大きさを持て余していた前回のサマソニが嘘のように全てのピースが噛み合い、クリアなインディ・ポップ・サウンドを響かせたペール・ウェーヴスら、UK新世代勢の大健闘は個人的に嬉しかったし、サイケデリック・ポーン・クランペッツは今夏フジロックのキング・ギザード&ザ・リザード・ウィザードと並んでオセアニア勢の斜め上のフリークネスに度肝を抜かれるステージだった。ウィーザー〜The 1975〜B’zの真裏でスノウ・パトロールトゥー・ドア・シネマ・クラブの流れを観られなかったのは残念だったけれど、B’zからダッシュで向かった先で、シンガロングとモッシュとダンスが交錯したこれぞサマソニのクロージング!なステージを見せてくれたのがフォール・アウト・ボーイだった。サマソニ1日目、最高のスタートダッシュ!(粉川しの)


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