【サマソニ総復習・3日目】ザ・チェインスモーカーズ、ゼッド、Perfume、BLACKPINK、Suchmosらを観た!

【サマソニ総復習・3日目】ザ・チェインスモーカーズ、ゼッド、Perfume、BLACKPINK、Suchmosらを観た!

東京会場では前日までの強い風が収まり、快晴に恵まれた「サマーソニック2019」の3日目。この日は、EDMやヒップホップ、エレクトロポップといったダンス性の強いアクトがズラリと並ぶラインナップで、黒いバンドTシャツ姿の来場者が多く目についた前日とは客層もガラリと変わっていておもしろい(もちろん、連日参加の人もたくさんいるだろうけど)。20年の歴史の中で、常に最新ポップ・ミュージックの時代性を映し出してきたサマソニらしいラインナップと言えるだろう。ここでは、MARINE STAGEの模様を中心に振り返ってみたい。


何と言っても、3日間の大トリを飾るのがザ・チェインスモーカーズである。前回2016年の出演ではBEACH STAGEのトリを務めていたけれども、一気にこのスロットまでジャンプアップ。ポストEDM時代の怪物が、その真価をまざまざと見せつけることになった。昨年の来日公演では、DJセットとドラマーを含むバンドセットがほぼ半々という構成だったが、今秋からの最新ツアーはバンドセットになる、というラジオでのインタビュー発言を裏付けるように、今回は全編がバンドセット。スクリーンには来るニュー・アルバム『ワールド・ウォー・ジョイ』のロゴも浮かび上がり、最新型チェインスモーカーズの試運転を目の当たりにする機会となった。

サンプリングやシーケンスを絡めたダンサブルな展開も見せるわけだが、ドリュー・タガートとアレックス・ポールの紡ぎ上げるエモーショナルな歌心を、ドラマーのマットが思い切り増幅させる手応えが圧巻だ。“Roses”にレッド・ホット・チリ・ペッパーズ“Under The Bridge”の歌の一節を交えるといった得意のカバーも随所に織り込み、感傷にズブズブと身を染める巨大なカタルシスは、もはやチェンスモ流のスタジアム・ロック・ショウであった。強烈なエゴと悲劇的な痛みのナルシシズムをもってようやく自我を確認するような危うさが、特大のスケール感をもってオーディエンスを飲み込む。“Sick Boy”に“Who Do You Love ft. 5 Seconds of Summer”、“Closer”、トドメに“Something Just Like This”という終盤の追い込みは凄まじかった。


純粋なダンスの熱狂という点においては、直前のスロットに登場したゼッドのパフォーマンスの方が上だったろう。9月から始まる「Orbit Tour」(アルバムも間も無く届けられるはず)の大掛かりなステージセットをいち早く持ち込み、可動式のド派手なギミックなど、目に楽しい演出がダンス性を加速させる。近年はポップな歌モノを多く手がけているが、やはりゼッド最高の武器はロックなアタック感を備えたグルーヴにある。それはもう、開演2秒でスタジアムのスタンド最上階までオーディエンスを跳ね上がらせるほどの、無条件なフィジカル反応を誘うものだ。

移り変わりの早いダンス・ミュージックのシーンにあって、ゼッドのグルーヴはエレクトロハウスを普遍的な領域にまで押し上げている。前半はひたすらダンサブルに盛り上げておいて、終盤はショーン・メンデスとの“Lost In Japan”や“Happy Now”、“Break Free feat. Ariana Grande”、極め付けに“Clarity”という新旧のヒットチューンつるべ打ちに持ち込むゼッド得意の構成も鉄壁である。「SONICMANIA」含めて通算4回目の出演。ゼッドに任せておけば大丈夫、という絶大な信頼感が、そこにはあった。


PerfumeにBLACKPINKという、コーチェラ・フェスからの凱旋アジア組によるリレーは実に華やか。日中からもの凄い集客ぶりで盛り上がった。LA拠点の女性DJであるTOKiMONSTAは、オーディエンスの様子を伺いながらニコニコと楽しそうに「私はこれが好き」という主張を込めるヒップホップ・ミックスが健全で清々しい。


Suchmosはこの日の貴重なバンドアクトの一組だが、ブレイク時のスタイルをさっさと脱ぎ捨て、野心的なコズミック・ブルースでフィールドを満たす熱演に、ロックの新しいロマンを観た。残念ながら足を運ぶことが出来なかったけれど、ディスクロージャーの珍しいDJセットや、チャーチズ、ブロックハンプトン、フルームといった、それぞれのスタイルでダンス/ポップの現在地を描くアーティストたちの出演もあった。


最後に触れておきたいのが、Billboard JAPAN STAGEに登場したロロ・ズーアイ(Lolo Zouaï )。パリ出身NY在住のシンガーソングライターで、H.E.R.のグラミー最優秀R&Bアルバムにも楽曲を提供した作曲センスがキラリと光る。トラップサウンドに乗せたアンニュイなアリアナ・グランデ風歌唱が素晴らしく、しかもファッション・モデルを務めるというルックスの持ち主だ。次世代スターの匂いがプンプンする。今春リリースされたデビューアルバム『High Highs to Low Lows』は最高なのでぜひチェックしてほしいし、注目度を高めてまたサマソニに呼んで貰いたいところだ。(小池宏和)


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