ナイト・レンジャー、14度目の来日公演で初期二作を完全再現! Wボーカル&Wギターによるダイナミックでエネルギッシュな名演を目撃した!

ナイト・レンジャー、14度目の来日公演で初期二作を完全再現! Wボーカル&Wギターによるダイナミックでエネルギッシュな名演を目撃した! - pic by Masanori Doipic by Masanori Doi

10月8日、昭和女子大学・人見記念講堂でナイト・レンジャーの来日公演を観た。この日は追加公演を含めて計3本となった東京公演の最終日。前夜に続いて約2,000人収容の同会場は満員御礼。『ドーン・パトロール』(1982年)と『ミッドナイト・マッドネス』(1983年)という名盤の誉れ高い初期二作品の完全再現という今回の公演テーマは、このバンドをデビュー当時から支持してきた人たちのみならず、当時を原体験することができなかった世代にも響いたようだ。

ほぼ定刻に場内が暗転すると、当然ながら『ドーン・パトロール』の1曲目に収録されていた“Don’t Tell Me You Love Me”が炸裂。そういえば最初に日本盤がリリースされた当時、この曲には“炎の彼方”、アルバムには『緊急指令NR』という邦題が付けられていたっけ、などと遠い昔を振り返りそうになるが、ノスタルジックな気分など吹き飛ばすスピード感をもってこのキラー・チューンは疾走していく。

ナイト・レンジャー、14度目の来日公演で初期二作を完全再現! Wボーカル&Wギターによるダイナミックでエネルギッシュな名演を目撃した! - pic by Masanori Doipic by Masanori Doi
ナイト・レンジャー、14度目の来日公演で初期二作を完全再現! Wボーカル&Wギターによるダイナミックでエネルギッシュな名演を目撃した! - pic by Masanori Doipic by Masanori Doi

この曲を皮切りに、同作に詰め込まれていた全10曲を収録順通りに演奏すると、次に聴こえてきたのは『ミッドナイト・マッドネス』の中盤に収められていた“Touch Of Madness”。前夜の公演でも、日程的に今回のツアーの初日となった10月5日、マイナビBLITZ赤坂での追加公演時にも、双方のアルバムとも曲順通りに演奏されたと聞いていただけに意表を突かれたが、どうやら全体的な流れを考えたうえでショウの後半に演奏する第二作の楽曲群については曲順を変えたようだ。実際、それによって終盤に配置された“When You Close Your Eyes”から“(You Can Still) Rock In America”への流れは華々しいクロージングとなり、さらに同作からのヒット・バラードである“Sister Christian”をアンコールに持ってきたことで、ドラマティックな起伏も生まれていた。


結果、この夜のライブはアンコールを含めて約2時間半にも及んだ。このバンドが初来日したのは『ミッドナイト・マッドネス』発表後にあたる1983年末のことで、当然ながらその際にはアルバム2枚分しか持ち曲がなく、しかも全曲が披露されたわけではない。つまりジャック・ブレイズ(Vo/B)、ブラッド・ギルス(G)、ケリー・ケイギー(Vo/Dr)というオリジナル・メンバーたちが60代になっている現在のショウのほうが、当時よりも演奏曲数が多くて長いのだ。なのにジャックはいまだにいたずら小僧のように動き回るし、メンバー全員の背筋がシャキッと伸びていて溌溂としている。ライブ・バンドとしてのコンスタントな活動が、彼らを今も若々しくエネルギッシュな状態に保っているのだろう。また、ブラッドの現在のギター・パートナーにあたるケリ・ケリーもすでに加入から5年になるが、彼のバンドへの貢献度の高さももっと評価されていいはずだ。

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また、改めて痛感させられたのは、ツイン・ボーカル&ツイン・ギターがもたらすダイナミックスの素晴らしさと、やはり楽曲の良さだ。インパクトの強い代表曲やヒット曲以外にも、彼らには「あれ? こんないい曲なのにシングルになってなかったの?」と思わされるほどキャッチーで機能性の高い曲がたくさんある。ラジオに愛される楽曲、と言い換えてもいいだろう。80年代といえば全米の音楽シーンの主導権がラジオからMTVへと移っていった時代だが、ラジオとの親和性の高い彼らの楽曲は、MTVのない時代に世に出ていたとしても、広く支持されたことだろう。同時に、ユーモアを交えながらの曲紹介やテンポのいいトークのあり方などにも、ラジオDJ的なタイム感がある。

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ジャックは公演中盤のMCで、今回が14回目のジャパン・ツアーで、この夜のライブが日本での通算74本目だと語り、拍手と歓声を集めていた。その言葉を聞いた時、デビューから37年を経てきたナイト・レンジャーが、日本での100本目のライブを実現させる瞬間を目撃したいものだと感じた。彼らにならば、それは不可能ではないはずだ。(増田勇一)

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<SETLIST>※10月8日
Don’t Tell Me You Love Me
Sing Me Away
At Night She Sleeps
Call My Name
Eddie’s Comin’ Out Tonight
Can’t Find Me A Thrill
Young Girl In Love
Play Rough
Penny
Night Ranger
Touch Of Madness
Rumours In The Air
Chippin’ Away
Let Him Run
Passion Play
Why Does Love Have to Change
When You Close Your Eyes
(You Can Still) Rock In America
[encore]
Sister Christian
High Road
Sentimental Street
The Secret Of My Success
Big Life
Goodbye

※レポートは昭和女子大学・人見記念講堂2日目(10月8日)ですが、ライブ写真はマイナビBLITZ赤坂公演(10月5日)のものです。
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