百戦錬磨のヘイルストームが改めて証明したバンド力の凄さ! さらなる飛躍を確信した熱狂の東京公演をレポート!

百戦錬磨のヘイルストームが改めて証明したバンド力の凄さ! さらなる飛躍を確信した熱狂の東京公演をレポート! - pic by 岸田哲平pic by 岸田哲平

めちゃくちゃ強力なライブ・バンドだな、と改めて思った。12月2日、東京・渋谷TSUTAYA O-EASTで観たヘイルストームのことだ。去る3月、「DOWNLOAD JAPAN 2019」でのライブも時間枠的にはコンパクトながら「このバンドがこんなに早い時間帯に出ていていいの?」と思えるくらいパワフルかつエンターテイニングな堂々たるものだったが、あの時のパフォーマンスに魅了されて今回の公演に足を運んだという人たちも、きっと少なくなかったはずだ。この東京公演のチケットは完売。この日は日本のメタル・バンド、LOVEBITESがサポート・アクトとして登場したが、彼女たちの出演が告知された時点ですでにソールドアウトに至っていたのだという。それでもLOVEBITESのTシャツを着たファンの姿が会場内で目についたのは、あらかじめ支持層にリンクするものがあったということなのだろう。ちなみにこのバンドの名前がヘイルストームの代表曲のタイトルと所縁のあるものであることは、言うまでもない。

ヘイルストームのステージは午後8時を過ぎた頃、現時点での最新作である『ヴィシャス』に収録の“Do Not Disturb”でスタート。ステージ上は、バックドロップ以外にこれといった装飾要素のないがらんとした状態だが、フロント・ウーマンのリジー・ヘイルがその場に登場し、第一声を上げただけでその場がぱっと明るくなるような感覚をおぼえた。とにかく声そのもののパワーが半端じゃなく、しかもそのたたずまいが観る者の目を釘付けにするのだ。身体にぴったりとフィットした黒の衣装にピンヒールのブーツというその姿は、まるでキャットウーマンのよう。同時に、往年のパット・ベネターがギターを弾きながら歌っているようにも見えるし、「ジョーン・ジェットとライザ・ミネリの間のどこか」とでも形容したくなるところもある。しかも高いヒールのブーツを履いているとは思えないような身のこなしを見せ、片足を上げて4の字を描くようなポーズをとったりしながらギターをさばく図は、「女性版ポール・スタンレー」とでも呼びたくなるほど。彼女のたたずまいには、たくさんの伝説的ロック・スターたちが住み着いているのだ。

百戦錬磨のヘイルストームが改めて証明したバンド力の凄さ! さらなる飛躍を確信した熱狂の東京公演をレポート! - pic by 岸田哲平pic by 岸田哲平

そんなリジーに負けず劣らず目を引くのが、彼女の実弟にあたり、後方でドラムを操るアージェイ・ヘイル。彼がプレイするさまは、「淡々とリズム・キープに徹する」ということのまさに真逆にあたるもの。スティックを回し、高く放り投げては掴み、全身を使いながらドラムを叩き、プログラムが進むにつれてどんどん薄着になっていく彼は、いわばステージ後方に陣取るもうひとりのエンターテイナー。姉弟コンビが形成するこの強力な縦ラインを、ジョー・ホッティンジャー(G)とジョシュ・スミス(B)という寡黙な男たち(本当に寡黙かどうかはわからないが、あくまでイメージとして)による横のラインがきっちりと支えている。

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曲によってはキーボードを弾いたりもするが、このバンドのライブにおいてメンバーの人数分以上の音を耳にすることはない。シーケンスに頼ることなく、音源と比べても聴きおとりのしない説得力満点のバンド・サウンドが体現されている。これはロードにロードを重ねてきたバンドならではの強みだ。そして、そんな音の壁を突き抜けるように聴こえてくるリジーの歌声は、力強いうえに華がある。欲を言えばもう少し『ヴィシャス』からの楽曲が聴きたかったようにも思うし、同作の日本盤にボーナス・トラックとして収録されていた“Tokyo”を披露せず終わったのは少しばかり意外でもあったが、とても満足度の高いライブだったことは間違いない。あの場所に居合わせた観客の誰もが、次回はもっと大きな会場での単独公演を観てみたいと感じていたことだろう。実際、このバンドはまだまだ大きくなっていくはずだし、今回の来日公演は、この規模の会場で観られる最後のチャンスだったのではないかと思える。そうした意味も含め、とても価値のある一夜だった。(増田勇一)

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<SET LIST>
Do Not Disturb
Love Bites (So Do I)
I Get Off
Black Vultures
Mz. Hyde
Familiar Taste of Poison / Amen
ベース&ドラム・セッション~ドラム・ソロ
Freak Like Me
Killing Ourselves To Live
Uncomfortable
Chemicals
I Am the Fire
[encore]
リジーによるピアノ弾き語りメドレー
Here's To Us
I Miss The Misery

同日ライブ直前に行なわれた取材の模様は以下。

正真正銘の仲良しバンド、ヘイルストームを取材した!
師走の到来とともに来日し、ファンの熱烈歓迎を受けながら12月2日には東京、3日には大阪で極上のライブ・パフォーマンスを披露したヘイルストーム。去る3月の「DOWNLOAD JAPAN 2019」での好演を経ての今年二度目の日本上陸ということになる。 そのフロント・ウーマンであるリジー…
正真正銘の仲良しバンド、ヘイルストームを取材した! - pic by JUNJI ODA
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