セックスと暴力のミクスチャー。しかもイギリスに住んでいれば精神的にパンクにならざるを得ないし、エレクトロばかりじゃなくメタルの側面もあればポップな要素もある。ミルキー・ウェイとサム・マトロックによるぶっ飛び男女デュオ、ウォーガズムは、自らの音楽についてそんなふうに形容してみせる。なんだか意味不明に感じられるかもしれないが、間違いないのは『ヴェノム』と題された彼らのデビューアルバムがきわめて大胆かつ刺激的で、その名が示す通りの毒性ばかりではなく、ある種の解毒作用も併せ持っているということだろう。
11月のある日、そんな2人のZOOM取材に挑んでみたのだが、どうやら口喧嘩レベルの揉め事は日常茶飯事らしく、「次回からは俺が全部決めるから」「いや、それはどうかな?」みたいな一触即発ムードのやりとりもあれば、今現在の社会情勢に対する問題提起的な発言が飛び出したりもして、この2人が若い世代の代弁者になり得る存在であることが、ありありとうかがえるインタビューとなった。1月には待望の単独来日公演も控えているが、そんな彼らのことが気になる人たちには、是非ロッキングオン1月号の「気になるあいつ」のページを熟読して欲しい。まだ気になっていない人たちも、きっと気になり始めるはずだ。(増田勇一)
ウォーガズムの記事が掲載されるロッキング・オン1月号