去る11月、ファン熱望のジョイントライブで久々の来日を果たしたマニック・ストリート・プリーチャーズとスウェード。共に90年代UKを代表するバンドであり、それでいて当時のブリットポップの祭りからは疎外された異端児であり、だからこそアウトサイダーの美学と反骨精神を共有している彼らは、互いを同志として認め合った唯一無二の関係性だ。
12月7日発売のロッキング・オン最新号では、そんな両バンドからジェームス・ディーン・ブラッドフィールドとブレット・アンダーソンが登場。しかもなんと二人の超・超・貴重な対談が実現してしまった!!
少し早めに対談現場に現れ、ROのマニックス初表紙号(1992)を手に取るや、「やめてくれー!若かった自分を見ると今の自分が可哀想になるじゃないか(笑)!」と笑いながらペラペラめくり始めるジェームスに対し、少し遅れて現れ、スウェードの昔の表紙号(1993)をチラッと横目で見て苦笑で流すブレット……という、まさに正反対のキャラクターを見せる二人だったが、顔を合わせるなりすぐに意気投合。司会の私と通訳氏が合いの手を入れる隙もあまりないほど話が弾んでいた。
90年代のUKシーンの話や、『ホーリー・バイブル』と『ドッグ・マン・スター』の比較論、マニックスとスウェードの相似点/相違点etc.、話題も多岐にわたったが、中にはプライベート・トークもあり、ここでは文字数の関係でカットになったその一部をご紹介。90年代前半、ジェームスとブレットはロンドンで近所に住んでいたそうで、何度かニアミスしていたという話からーー。
ジェームス「地理的にも近くに住んでいたしさ」
ブレット「そうだ。通りはどこだった?」
ジェームス「タルボット・ロード。それでその頃よく行っていたバーがあって、実はそこでも君を見かけたことがあるんだよ。だからある時点で俺はまるでストーカーだなと思ったけど、絶対違うから(笑)」
ブレット「(笑)。僕はその頃ムアハウス・ロードに住んでいた。レッドベリー・ロードにいたこともあったし、ノーサンバーランド・プレイスには18年住んだよ」
ジェームス「それも知ってる」
ブレット「確か僕の元カノのパーティーに君も来てたよね、覚えてる?」
ジェームス「覚えてるよ。君はレッドストライプ(※ジャマイカ産ビール)を飲んでいたよね」
ブレット「そうだった?」
ジェームス「そう。自分がレッドストライプが好きじゃなかったからそれで覚えてて」
ブレット「そうだったのか。僕はその辺にあるものを適当に飲んでいたからさ」
ジェームス「とにかく僕は、ウェストボーン・グローブに友達がいなくて、そこから友達の輪を作り始めて、そのときの友人関係は今も続いているんだ」
ブレット「てっきり君にはすでに友達の輪が出来上がっていると思っていたから、それを知っていたらもっと声を掛けたのに」
ジェームス「まあ僕はロンドンにやってきた田舎者だったからさ」
30年前にブレットが飲んでいたビールの銘柄を覚えているジェームスの記憶力にびっくりしたが、本誌にはそれ以外にも二人の貴重なエピソードが満載で、ファン垂涎の内容となっていること請け合いです。ぜひお楽しみに!(粉川しの)
マニック・ストリート・プリ―チャーズ×スウェードの対談インタビューが掲載されるロッキング・オン1月号