ほんの数年の間に、地元シドニーでの観客12人の初ライヴからワン・ダイレクションのアリーナ・ツアーのオープニングを務めるまでに成長したファイヴ・セカンズ・オブ・サマー（5SOS）。カヴァー曲を演奏する動画をアップして世界の注目を集め、まだファースト・アルバム前の日本デビューEPリリースの段階で、すでに「待望の」と付くにふさわしい人気と期待と待ちきれない焦燥感が沸き立っている話題の4ピース・バンドだ。自ら「ロックとパンクのエッジを効かせたポップ・バンド」と言うサウンドには音楽の楽しさが溢れていて、曲が流れると誰もがノリノリになってどんどん服を脱いでいく“シー・ルックス・ソー・パーフェクト”のPVもそれほど大仰ではないのではと思えてくる圧倒的なパワーがある。

メンバーの平均年齢は18歳、初めて買ったアルバムが『アメリカン・イディオット』なんて世代がもうこんなに大きくなってバンドをやっていると思うと感慨深い。一旦発売中止と発表されてファンをやきもきさせた初アルバムも秋にはリリース予定とのことで、その頃にはまた何回りも大きくなっていそうで末頼もしい。（網田有紀子）