昨年6月に国内リリースされた世界デビュー・アルバム『MIYAVI』以来の新作音源となる今作。タイトル曲“Real?”ではジャム&ルイス(ジャネット・ジャクソン/マライア・キャリーetc)を、カップリングの“Set It On Fire”ではジェフ・ブルー(リンキン・パークetc)をそれぞれプロデューサーに迎えて極限まで研ぎ澄まされた音像の中で《見えるかい 中身のない 派手な空虚なつくりもの達が》(“Real?”訳詞)と挑発的にぶち上げる彼の歌と超絶ギターは、格段に強度と輝度を増して胸に響く。何より、邦楽ロックの方法論をそのまま海外に持ち出す異種格闘技戦ではなく、洋楽シーンという名のゲームのルールに則って、真っ向勝負でロック本拠地に乗り込んで勝ちに行くと決めたMIYAVIの揺るぎない覚悟と闘志が、ソリッドでタイトな新曲2曲と、ロンドン公演のライヴ・テイクの隅々から明確に伝わるはずだ。《3、2、1 カウントダウン あげてくぜ 未来がはじまる》(“Real?”訳詞)――ハイパー&ハイブリッドな質感のサウンド越しに、サムライ・ギタリストのロマンが噴き上がる重要な1枚。(高橋智樹)