まず抜群に歌える作品だ。メロディ、歌える。歌詞、キャッチー。ギターフレーズ、口ずさめる。ドラムのフィルも脳内再生楽勝。キメもブレイクも(ジャッ、ジャッと)「歌える」。これが彼らの運動神経の実体なんだと思う。と同時に、オーラルの本当の特性はその肉体性以上に無防備なまでの信頼心にある。歌謡性、日本人性への深すぎる信頼。そして、その心根に純粋なメロディ。この歌謡性をここまで振り切って曲が書けるのは僕が知る限り、新世代ではKEYTALKだけだ。
僕は確信している。山中拓也のビッグマウスは恐らくこの普遍性に支えられている。だから、彼らが収める勝利は「番狂わせ」ではない。それは勝つべくして勝つ時がきた、ということなんだと思う。(小栁大輔)