勇気と愛の讃歌
家入レオ『Silly』
2014年11月19日発売
2014年11月19日発売
SINGLE
作品を重ねるごとに「大人になる」決意を高め、孤独に対峙しながらも人との繋がりに真正面から向き合ってきた家入レオ。この12月13日で20歳になる彼女だが、10代最後の作品となるシングル『Silly』では、臆することなく人を愛し、さらに自分を信じる勇気を示している。《何かを求め 確かめたくて 今日を生きてる》と繰り返される表題曲“Silly”。アコースティックギターやピアノ、ストリングスも取り入れられた雄大な調和のなか、澄んだ歌声はどこまでも力強く響く。もうひとつ興味深いのが、同曲で《大人になりきれなくて》と書かれていること。端的に綴られた少女以上、大人未満な時期の葛藤。ただその葛藤自体が、儚く繊細なものというよりも、もっと肉体的なものに昇華されているからこそ、人を愛する温もりが深く、優しく伝わってくる。そしてマニッシュな家入レオが《明日》と《自分》を《信じてる》と躍動的に歌う“勇気のしるし”では、生きることへの信念を感じた。日々を正直に生きる限り、人は刻々と変化していく。作品ごとに刻まれる彼女の変化を、じっくりと見届けていきたい。(石井彩子)