痛くて、愛しくて

ドレスコーズ『1』
2014年12月10日発売
ALBUM
ドレスコーズ 1
1st EP『Hippies E.P.』を以て、志磨遼平のソロプロジェクトになるという衝撃の発表から、間もないタイミングでリリースされる、現体制で初となるニューアルバム。バンドを愛し、泥臭さや汗臭さを剥き出しにしてきたこれまでの音楽性から解き放たれて、とても自由になった気がする。どんな楽器も音色も、曲に合うものを拘りなく取り入れているのだ。それでいて、歌詞は志磨の叫びそのものである。タイトルだけ抜き出しても“スーパー、スーパーサッド”、“もうがまんはやだ”、極めつけは“妄想でバンドをやる(Band in my own head)”……ふとアーティスト写真を見ると、大海を背に独り佇む志磨の姿。そう、まさにそんなアルバムなのである。何処までも行ける可能性が感じられるのに、痛みを孕んでいるのだ。だから、とびきりのポップチューンが畳み掛けてきても、鼻の奥がツーンとして切なくなる。レコードの触感があるように聴こえるのは、音質だけではなく、志磨の体温が滲み出ているからだろう。志磨遼平という稀有なアーティストの生き様が、ますます音楽に反映されていく兆しを感じる一枚。(高橋美穂)
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