抜群のポップ感と緩急を織り交ぜたスリリング且つドラマチックなサウンドが彼らの魅力だが、圧倒的に他のバンドに勝る凄みは「耳で驚き、心で泣ける」こと。収録される6曲全てに宿るキャッチーさに震えながらも、聴けば聴くほど何故か泣けてくるのは、エグイ日常の真実を目の当たりにし、傷つき嘆き失望してしまっても、温かな希望を見つめ光を願い抜く強さが、5人(Vo・G・Key・Dr・B)が奏でるひとつひとつの音からひしひしと伝わってくるからだ。多くの人のもとへ届く音で歌われるそうした思いは、必ず聴く者の心と足を動かす。
正に次世代を担うフレッシュな彼らだが、積極的なライヴ活動で着実に力をつけ、この度遂に初の全国流通盤をリリースする。会場限定で発売された前作『Introduction』でも、その類稀なるメロディセンスや真理を鋭く突く歌詞に驚かされたが、今作も期待を裏切らない充実の手応え。今年シーンを騒がすであろう侮れぬ逸材。要注目!(渡辺尚美)