これまでにも何度か映像作品やヴィジュアル作品とタイアップを経験している女王蜂だが、彼女達の場合は女王蜂の個性を作品側に寄せていく「慮り」系のタイアップは一度もやっていない。
むしろ映像やヴィジュアルの作家が彼女達に強烈に惹き付けられ、触発されたことで必然的に生まれたものだ。ドラマ『怪奇恋愛作戦』のオープニング・テーマとなる本曲もまさにそういうタイアップ。
そしてサウンドの方向性は大きく舵を切っている。『蛇姫様』に端を発し、「白熱戦」ライヴを経てさらに露になったスタイルの拡大路線、いや、解放路線がさらに大胆になり、ディスコ、ファンク、エレクトロと新たに生まれた境界を自在に行き来している。昭和歌謡なんていう矮小化にも程が有るカテゴライズで語られていた時代がもはや紀元前の話みたいだ。
しかもこれまた「らしい」のは、新しいスタイルを彼女達の中に取り込んでいくのではなく、女王蜂の中にもともと眠っていた未分化の細胞がひとつ、またひとつと分裂し、活発に動き出すかのような自生・循環の感覚があることだ。すべてが女王蜂になる、そんな日も近い。(粉川しの)