メンバー4人だけでスタジオに入り作られたこのアルバムは、これまでのどの作品よりも瑞々しくて熱くて儚い。そして彼らの作品で初めて、古舘の一人称ではなく、サラバーズ4人が主語になっていると感じる。変な話だが、「終わり」を意識することでサラバーズは濃厚なバンドのシナジーを手にしたのかもしれない。ラストの“Dub Song”、最後に聞こえてくるのはメンバーの笑い声。そこにサラバーズの青春のすべてが封じ込められている――だめだ、こんな文字量では到底書き切れない。P262で続きを書いているので読んでほしい。これは最高のロックンロールバンドによる最高のロックンロールアルバムである。(小川智宏)
『青春の象徴 恋のすべて』収録“Disaster of Youth”
『青春の象徴 恋のすべて』収録“千客万来”