青春に「終わり」はあるのか?

The SALOVERS『青春の象徴 恋のすべて』
2015年03月16日発売
ALBUM
The SALOVERS 青春の象徴 恋のすべて
このアルバムと、大阪・東京でのワンマンライヴをもって無期限に活動を休止すると発表したザ・サラバーズ。告知文にわざわざ「『解散』ではなく、敢えて『無期限活動休止』という形態を取らせて頂きました」と記されているとおり、おそらくサラバーズはこのまま永遠となるのだろう。そしてだからこそ、この『青春の象徴 恋のすべて』はまさに青春の永遠を刻みつけた作品となっているのだ。

メンバー4人だけでスタジオに入り作られたこのアルバムは、これまでのどの作品よりも瑞々しくて熱くて儚い。そして彼らの作品で初めて、古舘の一人称ではなく、サラバーズ4人が主語になっていると感じる。変な話だが、「終わり」を意識することでサラバーズは濃厚なバンドのシナジーを手にしたのかもしれない。ラストの“Dub Song”、最後に聞こえてくるのはメンバーの笑い声。そこにサラバーズの青春のすべてが封じ込められている――だめだ、こんな文字量では到底書き切れない。P262で続きを書いているので読んでほしい。これは最高のロックンロールバンドによる最高のロックンロールアルバムである。(小川智宏)

『青春の象徴 恋のすべて』収録“Disaster of Youth”

『青春の象徴 恋のすべて』収録“千客万来”
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