今、燃え盛る生と性

椎名林檎『長く短い祭/神様、仏様』
2015年08月05日発売
SINGLE
椎名林檎 長く短い祭/神様、仏様
椎名林檎が親交の深いふたりの男性アーティストと共演した今作。コカ・コーラのキャンペーンソング“長く短い祭り”は、元東京事変、浮雲とのデュエット曲。オートチューンのかかったふたりの気だるい掛け合いが、管楽器と鍵盤と絡みながら絶頂へと向かっていく。一方、自身も出演するauスマートフォンのCMソング“神様、仏様”は林檎が予てからファンである向井秀徳が参加。向井のあの《繰返される諸行無常/よみがへる性的衝動》のリリックに、林檎は扇情的な歌唱で応える。両曲ともホーンセクションが加わり、いかがわしく猥雑で、それでいて生命が輝き出す高揚感と狂騒感がほとばしる楽曲だ。今回のように「夏」や「和」という差し出されたお題に、持てるものを全力で捧げる姿勢は林檎の音楽家としてのモットーだが、同時にそこに生きることの刹那と、女であることの贅を味わいつくす意志を歌い込むところが『日出処』から始まった、新たな椎名林檎なのだと思う。与えられた生と性を惜しみなく音楽へと注ぎ、そのリアリティだけを丹念に描き切っていく林檎は、間違いなく今が一番強い。(若田悠希)
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