青い春の先にある季節の色

Base Ball Bear『C2』
発売中
ALBUM
Base Ball Bear C2
最近のベボベのグルーヴィーさは一際凄い。「っ」や「ん」の音を効果的に配置して極上のノリを醸し出す“「それって、for 誰?」part.1”、妖艶な音像を渦巻かせる“ホーリーロンリーマウンテン”など、聴いているとゾクゾクするアルバムだ。そして、耳を傾けて心に刻み込まれるのは、「中間色のトーン」とでも言うべき質感の世界。全てがバラ色に見えるほど幸福なわけでもなく、泣きわめきたくなるほどあからさまに不幸なわけでもなく、「なんとなく」の感覚を漂いながら生きている日々の中にある深いドラマを、各曲が見事に捉えている。“曖してる”は、まさにそういう曲。思春期ほどには繊細で瑞々しくはないのかもしれないが、やはり心は揺らぎ続ける30歳過ぎの日々が鮮やかに映し出されるこの感触は、“どうしよう”の《青春が終わって知った 青春は終わらないってこと》という一節が見事に言い表している。彼らの1stアルバム『C』は、思春期の余韻を随所に香らせていた。そこから10年近くの日々を経てリリースされる今作が『C2』というタイトルなのも、そういう意味をこめてのことなのだと思う。(田中大)
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