KANA-BOON史上最高に歌詞が良い。ぜひ、腰を据えて歌詞を読みながら聴いて欲しいと思う。谷口鮪のユーモアとアイロニーを混ぜ込んで弾ける歌詞は、これまでにも数多くの名フックとして残されてきたけれど、ここまでダイレクトに耳から心へと揺さぶりをかけてくれたのは初めてだ。テレビ画面の向こうの惨劇と非現実感に悶え苦しむ、とんでもない名曲“インディファレンス”が中盤に置かれ、《もう一度教えてくれ、笑い方や泣き方を/教えて、世界の歩き方を》(“スタンドバイミー”)や、《君の姿に何度救われたか/だから次は僕の番だ/オンリーワンのヒーロー/この声で歌うよ》(“Origin”)というクライマックス2曲に泣きそうになって、この上なく晴れやかなサウンドで歩き出すためのオープニング“オープンワールド”に何度でも立ち返る。KANA-BOONの4人はこの作品でロックの原体験を掘り起こしており、生活の中で自然にヘビロテされてしまうロックアルバムが生まれた。バンドの機動力に感情表現が追いついた『TIME』から僅か1年、しかも3作目で、これほどの名盤を生み出すポテンシャルと努力は並大抵のものではないと思う。(小池宏和)