双子のアンバー&パリス・ストローザー姉妹とアニタ・バイアスによるトリオ・ユニットで、プリンスやザ・ルーツのクエストラヴ、エリカ・バドゥらに早くから注目され、ビラルやロバート・グラスパーらとのコラボレーションもすでに行ってきている新人だ。新人とはいえ、11年から断続的にリリースは繰り返してきていて、今回ようやくアルバム・デビューとなったが、なぜこれほど時間がかかっているかというと、全曲完璧だからである。非の打ちどころがない――曲よし、アレンジよし、サウンドよしの、見事過ぎるほどポップで粒の立ったR&Bナンバーが勢揃いしているのだ。プロデュースはパリスが自ら担当していて、はっきり言って時節柄のサウンドへの配慮は皆無である。特に新しい捻りはなく、非常にオーセンティックなR&Bの作りなのに、おそらくほぼすべての音を自分達で作っているので、そのDIYエレクトロニック感が妙にコンテンポラリーなサウンドとなって響き、まったく古さを感じさせないものになっているのだ。しかも、とにかく曲とリズムとメロディが素晴らしい。この輝きに注目しないとだめ!(高見展)