ライフ・ゴーズ・オン

デフトーンズ『ゴア』
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ALBUM
デフトーンズ ゴア
前作『恋の予感』がリリースされた翌年、ベーシストのチ・チェンが逝去した。2008年からずっと彼の昏睡状態が続く状況下で制作された『恋の予感』は、やはりどこか重いムードを持つ作品になっていたと思う。あらためてそう感じるのは、この最新アルバムが、かなり吹っ切れたように新たなエネルギーが満ちた作品になったからかもしれない。チノ・モレノは今作について「各曲が様々な雰囲気を持っていて、ハッピーなレコードでもないが、怒りまくったレコードにもなってない」と語っている。また、サポート・ベーシストを務めてきたクイックサンドのセルジオ・ヴェガは、これがすでに3枚目の参加作品となるが、やはり少なからず心構えが違ったのか、バンドを新たな領域に押し上げるべく6弦ベースを使ったそうだ。ある意味で、デフトーンズの再出発作だと言ってしまっていいだろう。

10曲目にジェリー・カントレルがゲスト参加。アリス・イン・チェインズも、メンバーが健康問題を抱え(活動も停滞)、ついには死んでしまった過去がある。経緯は違えど互いに共感するところは大きかったはず、と想像したら泣けた。(鈴木喜之)
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