終わらない青春の始まり

マニック・ストリート・プリーチャーズ『エヴリシング・マスト・ゴー(20周年記念盤)』
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ALBUM
マニック・ストリート・プリーチャーズ エヴリシング・マスト・ゴー(20周年記念盤)
リッチー・エドワーズ失踪事件からもう20年。彼の突然の失踪で解散の危機に瀕したものの、3人でのバンド存続を決意、絞り出すように作られたのがこの96年発表の第4作である。リッチーを失ったショックから得た深いフィーリングもあいまって、前作とはうってかわった内省的で情緒的な作りになり、オーケストラが大幅にフィーチャーされて、彼らのドラマティックでエモーショナルなメロドラマ性が強く出た。

掛け替えのない仲間を「失踪」という中途半端な形で失い、彼らのアイデンティティはいつまでも確立されずに宙ぶらりんなままで、その表現からは「青年期」、「思春期」の気負いと青臭さがいつまでも消えないことになってしまった。宙ぶらりんになった彼らの内面は成熟もしないまま、いつまでも寒風に吹きさらされていたのである。その「自分探し」は2008年の裁判所によるリッチー死亡宣告、それを受けたアルバム『ジャーナル・フォー・プレイグ・ラヴァーズ』(09年)まで続いた。これはその長い旅の第一歩だった。

ボーナス・ディスクはライヴ盤。“雨にぬれても”のアコースティック・カヴァーは泣けた。(小野島大)
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