札幌のカラオケで弾けたジョニー

ジョニー・ウィンター『ダウン&ダーティー』
発売中
DVD
ジョニー・ウィンター ダウン&ダーティー
2014年に公演地スイスで急死したジョニー・ウィンターのキャリアを振り返るドキュメンタリー。本編が始まるとこの映画のタイトルをどうするかと訊かれて「知らねえよ」と答える彼だが、その数十秒後には『ダウン・アンド・ダーティー(這いつくばって泥まみれの人生)』と提案してみせるジョニーのキャリアが明らかにされる内容となっている。最晩年のジョニーは頻繁に来日してくれたが、実はそれが可能になったのはバンドのスタッフがマネジメントも兼業するようになってからのこと。それ以前のジョニーはマネージャーに薬漬けにされて瀕死の状態だったという衝撃の事実が、この作品ではつまびらかにされている。作品そのものはジョニーのツアーの旅路を追うロード・ムーヴィーとなりながら、そのキャリアの栄光と落とし穴、そして生い立ちがひとつひとつ丁寧に語られていく。天才ギタリストとしての名をほしいままにし、マディ・ウォーターズのキャリアを立て直した名プロデューサーとしての偉業は誰もが知っているが、その後の転落の人生はこれまで語られたことがなく、涙なくして観られない感動ドキュメントとなっている。 (高見展)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする