2年ぶりとなるアリアナ・グランデの新作だが、かなり目配せの利いたアルバムとなったセカンド『マイ・エヴリシング』とは趣向を変え、自分のやりたいことに専念した内容になっていて、個人的にはようやく形になった彼女の決定盤のように思えて嬉しい。アリアナというと、とかくマライアの再来と形容される高音技巧派としての一面と、グルーヴ感を打ち出したいR&Bシンガーとしての一面がどうしても乖離しがちなところがあったけれども、今作はその美声をオープナーの“ムーンライト”で全面的に披露し、そのまま一気にタイトル曲やシングル曲群に雪崩れ込んでいくという展開がとても気持ちいい。今回、マックス・マーティンに加え、ザ・ウィークエンドとのコラボでも知られるサヴァン・コテチャをエグゼクティヴ・プロデューサーに据えたのも、ポップでグルーヴ感の強いR&B一本で押し切るという意図からだろうし、楽曲も粒が揃っていて聴き応え満点。特に中盤のリル・ウェインやメイシー・グレイと共演するバラード2曲のパフォーマンスが素晴らしく、間に挟んだポップ・ファンクの“グリーディー”も一気に盛り上がる。(高見展)