久々の新曲は大評判のTBSドラマ『重版出来！』の主題歌、というビッグタイアップ付きであるにもかかわらず「完全生産カセットテープ」でのリリース。出た。売る気ない、このアイテムを。おもしろきゃなんでもいいと思っている、「ええっ!?」ってものならOKだと思っている、それによるデメリットとかマイナスとかは気にしないバンド、ユニコーンならではのやつだ。ただし。この曲の作詞・作曲・ボーカルの奥田民生、「久しぶりのユニコーンなので、まじめに作りました。」という公式コメントを出しているが、ここで言う「まじめに」というの、歌詞のことだと思う。ユニコーンではそんなに書かないがソロOTでは時々書く、「言いたいこととかそんなないはずなんだけど、書いていくうちに自分の中の何かが表れちゃった」タイプの曲。恥ずかしさとか自己陶酔とか寒さとかがゼロの言葉と、大げささとかハッタリとかがゼロのメロディでもって、己の考え方や生き方が歌われている。OTがユニコーンでもマジなことをやり始めるとたいてい素晴らしいことになる、その最上級の例。大好きな曲。（兵庫慎司）