Mrs. GREEN APPLE『サママ・フェスティバル!』
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Mrs. GREEN APPLEのライブを観ていると、音のでかさに毎回驚く。物理的に音圧が高い、というのもあるのかもしれないけど、それ以上に体感によるところが大きいような気がする。ライブハウスで観ても、フェス会場で観ても、ステージから強烈なエネルギーが放射されていて、その波動を全身で受け止めているような感覚におそわれる。そしてその「今」の眩しさ、大げさにいえば命が燃えているその熱にいつも感動し、何かを思い出させてもらったような気分になる。
“サママ・フェスティバル!”はそんな「今」の眩しさをナマのまま取り出してぶん投げてくるようなサマーアンセムだ。バンドだけではない、オーディエンスも巻き込んで爆発するコーラスが力強くメッセージを伝えていく。シチュエーションは夏だが、《足りないものばっか/探しちゃう僕たちは/「目の前」に気づけずに/今年もあっという間に終わっちゃう!》という歌詞には、普遍的で本質的な大森元貴の思いが隠されている。
そんな表題曲と表裏一体のような感情を豊かに歌い描くカップリング“umbrella”も珠玉。(小川智宏)