6月に突如リリースしたEPが本作。3曲共に新録の新曲で、昨年のセカンド『カラカル』以降の彼らの最新モードが確認できる内容になっている。ジョージ・ベンソンをサンプリングし、90年代UKガレージやハウスへの直球のオマージュになっているタイトル・トラックや、タイト&ダークなファンク・エレクトロ、“ボス”の2曲は、思いっきりフロア仕様の作りになっていて、『セトル』の頃の彼らを彷彿させる、兄弟が言うところの「原点回帰なサウンド」になっている。ただし、このEPのキーとなるナンバーは鉄板にして安定のこの2曲ではなく、アル・グリーンの“アイム・スティル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー”をサンプリングした“フィール・ライク・アイ・ドゥ”だろう。ここではディスクロージャーのクラブ・キッズとしてのかつての現場感はほぼ消えている。代わりに『カラカル』を遥か通りすぎた先で、ヴィンテージでちょっとゴージャスすぎるソウルが艶やかに輝いている。(粉川しの)