タイトル中の「LOVELESS」に「マイブラ？」と訊いたら「好きだからそれでもいいです」と爆笑された。まあそんなふたり組だ、ハルカトミユキは。毎月新曲発表、47都道府県ツアーと多忙を極めていたら、フルアルバムは2年9ヶ月ぶり。その間の活動が血肉となった10曲が収録されている。ふたりがライブで得たもの、また今年に入り芝居に挑戦したハルカの経験が詞・曲にも反映しているようだ。孤独や痛みもクールに歌うハルカが、1歩進んで誰かとの距離を歌い込んだり、“DRAG & HUG”では肩の力を抜いて人の温もりを確かめたりしている。その分、言葉選びは研ぎ澄まされている。《群れにならず／多くは言わず／自分の誇りと／生まれた理由を／守るため》とハルカが歌う“奇跡を祈ることはもうしない”にゾクゾクする。この曲は「ハルカの声を生かしたい」とミユキが積極的に曲作りに携わり、今までになく強さのある歌になった。また“見る前に踊れ”ではミユキ得意の80’sテイストでハルカが《踊っちゃえよ》と歌う。本作は期待に踊らされず自分で未来を選んでいく、ふたりの独立宣言だ。（今井智子）