正解はこれしかなかったと思う

クリープハイプ『世界観』
2016年09月07日発売
ALBUM
クリープハイプ 世界観
今の日本のロックの主流のダンス感ではなく、今の洋楽R&Bでもなく、古のソウルミュージックをクリープハイプの音楽文体で再構築してみせたシングル“鬼”を最初に聴いた時から、あるいは尾崎が初めて書いた小説が『祐介』でニューアルバムが『世界観』というタイトルであることを知った時から、「どうも次のはすごそうだ」と期待していたが、その期待のはるか上を行く作品である。①「クリープハイプはこうであってほしい」という期待に応える曲、②「これまで知らなかったクリープハイプを聴きたい」という期待に応える曲、③そのどちらでもない(もしくはどちらでもある)曲、すべてが超ハイレベル。中でも特に②がいい。「何をやっても自分たちの音になるとわかった」と言うバンドマンは多いが、そういうのとは違うと思う。そこまで自分たちを信用していないと思う。ただ、今何をやればいいのかが見えたんだと思う。小説を書いた効果なのか、音の進化にひっぱられたのか、歌詞の鋭さが露骨に上がっているのも聴きどころ。本当に捨て曲なし、どこをどう聴いても文句なし、ただうれしいだけ。(兵庫慎司)
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