シングルとしてはアルカラ自身約8年ぶりとなる今作は、『ドラゴンボール超』エンディング曲としてオンエア中の表題曲“炒飯MUSIC”のみならず“怪盗ミラクル少年ボーイ2”“LET・IT・DIE”の3曲すべて(カラオケバージョンを除く)がタイアップ曲という1枚。あふれ返る『ドラゴンボール』愛を炒飯の熱気に託したオリエンタル・ファンク的な音像の中で、《暴れ出せリビドー/左手は添えて/止め刺してやれー》と国民的アニメのエンディングらしからぬ鋭利な妖気を滲ませる“炒飯MUSIC”。アルカライダーの後を受けて(?)の『怪盗ジョーカー』のオープニングで捕捉不能なロックンロールの加速感を描き出した“怪盗ミラクル少年ボーイ2”。オルタナ直系のメランコリックな空気感も拭い難い焦燥感も、荒れ狂う狂騒の坩堝へと投げ込んでみせた“LET・IT・DIE”……あらゆる意味も文脈も関係なく、それこそ一撃必殺のひと太刀の威力を最大限に磨き上げた剣士のように、己のロックの打撃力と突破力を極限ブーストしてお茶の間に斬り込む「ロック界の奇行師」の意気揚々とした闘争心が滲む快盤。(高橋智樹)