没後初のベスト盤。ワーナー時代の音源をコンパイルしたものだが、ファースト『フォー・ユー』から『ラヴ・シンボル』までの全アルバムから選ばれているものの、『COME』~『カオス・アンド・ディスオーダー』からは1曲も選ばれていない。未CD化音源も何曲か収録されている。目玉は1982年7月録音の未発表曲“ムーンビーム・レヴェルズ”だろう。プリンスの未発表曲は膨大な数に上ると推測され、今後いろいろな形で出てくると思われる。
すべての年代からの選曲ではなく、また重要な曲がいくつか抜け落ちているが(“スノウ・イン・エイプリル”とか)、代表的なヒット曲はもれなく収められ、入門用としてソツがない。ジャケットのアートワークが素晴らしく、ブックレットに掲載されたハーブ・リッツによる写真も抜群にクオリティが高い。このジャケットだけでも買って損はない。レーベルの丁寧な仕事が光る。
リマスター等は特に謳っていないが、コンパイルしたマスター音源を作る際に、レヴェル合わせ、レヴェル上げ等の最低限の処理はしているはずで、現行のCDよりはかなり音が良くなっている。一家に1枚。(小野島大)