憂いの街を闊歩するための鼓動

Gotch『Taxi Driver』

2017年06月21日発売

Gotch Taxi Driver
アジカン結成20周年アニバーサリーイヤーをあとにして、さらなる歩みを進めるゴッチの、2ndアルバム『Good New Times』後では初となるシングル。

トラップ的なテイストも備えた軽快な打ち込みのリズム、井上陽介(Turntable Films/Subtle Control)、下村亮介(the chef cooks me)、日向秀和(ストレイテナー/Nothing's Carved In Stone)、Achiko(Ropes)を迎えたアンサンブルの開放感でもって、憂鬱な日常を朗らかに闊歩するような表題曲“Taxi Driver”には、どこか無国籍風なドリーミーな空気感も漂う。だが、《川上にのぼれば この街も/全部燃えてしまって 焼け野原/もう思い出せない昔の遠いことでも/連綿と今に向かって誰かが繋いでいて/僕らに渡しただけ》というフレーズが、僕らを一瞬にして2017年日本の現実へと鮮やかに引きずり戻してみせる。

時代のど真ん中に立つ闘争者=アジカンとしての視点とはまるで別種の、都市生活者としてのリアルを等身大のロックアートへ結晶させるソロアーティスト=ゴッチの真髄が穏やかな、しかし確かな光を放つ名曲だ。(高橋智樹)

最新ブログ

フォローする