まだ見ぬ景色の向こう側

BIGMAMA『DOPELAND』
発売中
BIGMAMA DOPELAND
音楽と小説の魅惑のコラボレーションがここに実現。今年3月に出た7thアルバム『Fabula Fibula』のブックレットには、楽曲ごとに架空の街のストーリーが掲載されていた。今回の16thシングルは、アルバムの最後を飾る“愛はハリネズミのように”のテーマである「幻覚の島〈ドープランド〉」に焦点を絞ったスピンオフ作品という位置づけ。今作は“愛はハリネズミ〜”に刺激され、小説家・住野よる氏が書き下ろした掌編小説「DOPELAND」を封入。BIGMAMAの音世界にさらなる想像力の橋を架ける役割を担っている。内容は新曲2曲を含む3曲入りで、“CRYSTAL CLEAR”は鍵盤とアコギを用いた透明感のあるシンフォニックな曲調。心の奥底まで見透かされるような美メロに身も心も絡め取られる。対して、“ILLUSION”はドラムのテンポ感が心地好く体に響くナンバー。明るいバイオリンの響きも相まって、ポジティブな高揚感に満ちている。中盤すぎのジャジーなパートも小粋だ。ラストを飾る“愛はハリネズミ〜”を含めて1枚の作品という趣で、これは小説と共にじっくりと味わい尽くしたい。(荒金良介)
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