『ショックウェイヴ・スーパーノヴァ』以来約2年半ぶり16枚目のジョー・サトリアーニの新作は、チキンフットでもお馴染みのチャド・スミス(レッチリ)、そしてグレン・ヒューズ(ex.ディープ・パープル)というロック・ドリーム・チームでのトリオ・レコーディングが実現。ロックのカタルシスの高純度結晶のような超絶ギター・プレイを、一貫してモダンでポップなインストゥルメンタル・ロックに昇華してきたサトリアーニが、辣腕ベーシスト&ドラマーとの音の真剣勝負越しに繰り出す楽曲の数々。
前作『ショックウェイヴ〜』の精緻な構築感とは一転、剥き身のグルーヴとメロディ/フレーズの肉体性という彼の核心そのものがくっきりと浮かび上がるアルバムに仕上がっている。“エナジー”、“ヘッドラッシュ”、“インヴィジブル”などアグレッシブなナンバーが滲ませる、熟練の名手の野性と迫力。彼自身かつて住んだこともある日本への想いを、しなやかな旋律とアンサンブルに託した“チェリー・ブロッサムズ”。表題曲“ホワット・ハプンズ・ネクスト”で編み上げる悠久のロックの風景・・・・・・言葉以上に雄弁で鮮烈な音空間がここにはある。(高橋智樹)
真剣勝負に宿る野性とポップ
ジョー・サトリアーニ『ホワット・ハプンズ・ネクスト』
発売中
発売中