シャギーとコラボでレゲエ再び

スティング & シャギー『DON'T MAKE ME WAIT』
発売中
スティング & シャギー DON'T MAKE ME WAIT
2016年の『ニューヨーク9番街57丁目』以来の新録新曲である本シングルは、シャギーとコラボしたド直球なレゲエ・ソングとなった。久々にエレキ・ベースをブリブリ弾きまくるスティングが帰ってきた『ニューヨーク〜』が、13年ぶりのロック・アルバムだったことを思えば180度の方向転換だが、この振れ幅は彼に限って言えばまったく不思議ではなく、むしろ通常サイクルとでも呼ぶべきものだ。ザ・ポリスの時代からワールド・ミュージックは常に彼の作家性の大きな部分を占めており、そもそもキャリアの出発点がジャズであるのに加え、近年はクラシック作品もリリースしている当たり前に多才なスティングにとって、レゲエは意識して取り入れるものではなく、予め自身のDNAに根付いたものだ。だからこそ本曲は「レゲエ風の何か別のもの」ではなく、カリブ海からの潮風がゆったり漂うような、彼とシャギーのスムースなデュエットとチルなビートが心地よい、肩の力が抜けたコラボになっている。この曲がきたるニュー・アルバムの方向性を確定するか否かはまだ分からないが、スティングらしいネクスト・ステップだと言えるだろう。(粉川しの)
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