改めて、ブルーノ・マーズの新曲“24K Magic”が最高すぎる

改めて、ブルーノ・マーズの新曲“24K Magic”が最高すぎる

今月18日にリリース予定の『24K・マジック』からのリード・シングルとなる“24K Magic”、絶妙なポップ路線を繰り広げつつR&B愛をずっとちらつかせてきたブルーノ・マーズがついにファンクを全開させた、記念碑的な自己解放ナンバーにしてファンク的名曲としかいいようがない。

ファースト『ドゥー・ワップス&フーリガンズ』はそれこそR&Bとロックの素養を存分に発揮するものになっていたものの、飽くまでも誰にとっても聴きやすい王道ポップスとして楽曲を提示していくことが最優先事項になっていて、ブルーノのR&Bの歴史への強烈な信奉についてはライブ・パフォーマンスなどで垣間見せるものになっていた。

その後、ファーストの大ブレイクを経て制作したセカンド『アンオーソドックス・ジュークボックス』ではファーストを踏襲しつつマーク・ロンソンとの出会いも成就し、シングル“Locked Out of Heaven”などはスティング張りのヴォーカルと性急なファンク・ロックが合体した、究極の80年代ポップ・ロック・トリビュートともなっていたのだが、ブルーノのファンク愛を開花させる内容とはなっていなかった。

それを完全に解放する契機となったものはなにかといえば、いうまでもなくマーク・ロンソンの大ヒットとなった“Uptown Funk”への客演だ。そのまま自己解放を続けたらこうなったというのがまさにこの“24K Magic”なのだ。

ポップな王道ファンクという意味では“Uptown Funk”を越えるのはなかなか難しいので、ザップ直系のズブズブ・ファンク・サウンドに向かったのは大正解だし、これ以外の方法でファンク愛を表現しようがないというほど“Uptown Funk”に続く新曲としてはツボを得た展開だ。さらにザップだけでなく、微妙にベースラインがブーツィー・コリンズを思わせるフレーズを聴かせるのも絶妙だし、このヴォーカルのリズムの軽快さと小気味よさがなによりも重要でもある。というのも、ザップ・ネタでやはり大ヒットとなったドクター・ドレーとトゥパックの“California Love”というヒップホップも通過した感性をよく窺わせていて、単にレトロとはいいきれない新しさもまたあるからだ。

これまでのブルーノのアルバムはこうしたキラー・チューンをよく練り上げられた楽曲で固めていくという構成を取ってきたが、新作もまたそういう構成になるのか、あるいはさらなる自己解放が繰り広げられるのか、そこを見極めるのもまたとても楽しみだ。(高見展)

“24K Magic”のMVはこちらから。
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