昨年はサマーソニック直前の出演キャンセルのアクシデントがあって我々を悲しませたが、“Boys”をヒットさせるなど安定した人気を持ち新世代のポップ・アイコンとしてのポジションを我が物としているイギリスのチャーリーXCXのミックステープ第2弾だ。カーリー・レイ・ジェプセンとの1曲目、先行シングルとして発表されたトーヴ・ロー&ALMA(フィンランドのオーディション番組出身だそう)との2曲目と流れる導入部の心地よさで虜にする仕掛けは完璧。癒やし系の中に力強さが息づく歌声たちと、シンセ、エレクトロ・ポップやゴシック・ポップというルーツをベースに計算され尽くした過不足のないサウンドに包み込まれる。
ロック色の強いものからEDMっぽいトラックやポップ性を出したナンバーまで、トラック毎に万華鏡的に変化していくドライヴ感はどれも小気味よい。とくにドリアン・エレクトラ、ミッキー・ブランコとの“Femmebot”のスピーディなエレ・ポップなんか一番好きだが、ラスト、ミディアムの“Track 10”もみごとにシックなアルバム・ジャケットと響き合っている。(大鷹俊一)
どれも仕掛けがたっぷり
チャーリーXCX『POP 2』
発売中
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