究極の西海岸感性登場

ベーコン『ゲット・ウィズ・ザ・タイムズ』
発売中
ベーコン ゲット・ウィズ・ザ・タイムズ
ケンドリック・ラマーの『ダム』に8曲参加していた謎のプロデューサー、ベーコンのファースト・ソロ。もともとDJカリルのお抱えソングライターとして活躍し、アフターマス関連アーティストや『ダム』での抜擢に繋がったが、このソロ・アルバムはあまりにも独特な世界観を生み出していて異様なくらい刺激的で癖になる。最もわかりやすい曲はファースト・シングル“コールド・アズ・アイス”で、このどこまでも加工された、しかし、切なく響くソウル・バラードはまさにフランク・オーシャンを思わせるもので、タイトル曲“ゲット・ウィズ・ザ・タイムズ”の乾いたグルーヴとライムの絡みも最初はフランクや新世代ソウルを彷彿とさせるものだ。しかし、これが後半に入るとやがてどこまでもピンク・フロイド的な憂いを鳴らすようになっていくところがこの人ならではの感性でこれが癖になるのだ。実を言うと、このアルバムの大半はこの73年以前のピンク・フロイドとザ・ビーチ・ボーイズの感性が融合したような不思議なポップさと思春期性を漂わせる世界になっていて病み憑きになる。“17”のあまりの瑞々しさはひたすらすごい。(高見展)
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