20年で培ったディープな輝き

Dragon Ash『Live Tour MAJESTIC Final at YOKOHAMA ARENA』
発売中
Dragon Ash Live Tour MAJESTIC Final at YOKOHAMA ARENA
ライブ後半、“百合の咲く場所で”の曲中に「すげえ、ライブハウスみたいじゃん!」とKj(Vo・G)は興奮気味に発していた。昨年、結成20周年の節目に11thアルバム『MAJESTIC』を発表し、そのツアー最終地に選んだのは横浜アリーナだった。1999年以来、なんと19年ぶりに同会場でワンマン公演を行った彼ら。冒頭の発言通り、アリーナをライブハウスに変質させる灼熱のミクスチャーロックは破壊力抜群。その一方で、最新作で掲げた生々しいバンド感と華々しいデジタル音を融合させた現在のモード……特にシンセを大々的に導入した“Jump”はアリーナという空間を活かし、爆発的な高揚感を生み出していた。そして、全編を観終え、Dragon Ashというバンドのメロディメイカーとしての素晴しさを再認識。フィジカルに訴える強靭な音色を際立たせているのは、万人の胸をえぐるエモーショナルな旋律の美しさにある。20年の歳月の中で、その美しさに新たな光沢が付加され、奥深い輝きを放出していた。まさにそれは最新作の「威風堂々」という表題の言葉とも合致するものである。(荒金良介)
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