心を撃ち抜かれて仕方ない

竹原ピストル『GOOD LUCK TRACK』
発売中
竹原ピストル GOOD LUCK TRACK
間違いなくキャリアハイ、充実の絶頂期である。昨年末の紅白歌合戦出演も記憶に新しいが、今回の4枚目となるアルバム『GOOD LUCK TRACK』をひっさげた全国弾き語りツアーは、主にホールを回るもの。そしてファイナル公演は日本武道館にて開催される。ドサ回りの吟遊詩人が、歌い続けるうちに日本屈指の歌うたいになっていた。実際、本作はほんとに素晴らしいアルバムなのだ。全14曲のフルボリューム。《意味を求めない意味を求めて/はじまりを求めない旅のはじまりを求めて》(“名も無き花”)、《ひっくり返ったゴミ箱みたいな夜から 転がり出してきたこの歌は》(“ゴミ箱から、ブルース”)。悠久の美しきスタンダード、時代に棹差すフォークの激情、カントリーブルースが燻らす幻想の炎、ロックンロールの空元気、レゲエの温もりにヒップホップのユーモア。飽きさせない気まぐれな調べに、内面から湧き出るミクロとマクロの普遍性を乗せ、ラストは反骨精神でズバッとぶった斬って幕引き。真の大衆音楽は極めて大衆的でないところから生まれるのだと、このアルバムは証明しているのだ。(秋摩竜太郎)
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