ドラマは、騙すことをコンセプトにしつつコミカルなノリになっている。それに対し“ノーダウト”もリズミックなアレンジで嘘をテーマにした曲。ヒゲダンの場合、ネガティブな題材を扱ってもキーボード主体のポップなアレンジと藤原聡の歌唱力で嫌味なく、ユーモアも交えつつ聴かせるのが美点だ。その技が、嘘について歌ったシングルで活きている。
アルバムのほうも多様な曲調でポップバンドとしての懐の深さをみせる。なかでも、曲名とは裏腹に失恋のバラードである“相思相愛”は見事。自虐的な詞なのに粘着質にならず、温かい余韻を残す。彼らは、ネガティブをポジティブに変える魔法を持っている。(遠藤利明)