Don't Give Up The Fight

OKAMOTO'S『BOY』
2019年01月09日発売
ALBUM
OKAMOTO'S BOY
結成10年目で8枚目のアルバム。多作である。まるでビートルズローリング・ストーンズの若い頃、60年代のロックバンドのような矢継ぎ早のリリース。ロックという音楽ジャンル自体がまだ若く成長期、発展途上だった60年代と、OKAMOTO’Sが生きてきた、何もかもが成熟し飽和した21世紀以降では、時代状況がまるで違う。それでもなおかつ、つんのめるような表現衝動に突き動かされ作品を重ねてきた彼らの、ここにきての決意表明がこれ。タフでタイトでグルーヴ感たっぷりの演奏には10年のキャリアがたっぷりと叩き込まれているが、それ以上にリリックに、彼らの尽きることのない若々しいエネルギーが注ぎ込まれている。《俺たちは“良かった頃”の一部じゃない》、《過去の歴史を破壊する爆弾を俺たちで作らないと》(“Dreaming Man”訳詞)、《何もかも嫌になっても 何度でもドアを開け続けんだ》(“DOOR”)という一節に、そう簡単に物わかりがよくなってたまるか、という意地と、これからの10年に賭ける意思が込められている。ロックでファンクでジャジーな音楽性の厚みと奥行きは、経験の賜だ。拍手。(小野島大)
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