これを歌えるのはこの人だけ

UVERworld『Touch off』
発売中
SINGLE
UVERworld Touch off
“Touch off”冒頭、いきなり飛び出すワードが《FIRE》である。この号砲の時点で変わらぬUVER節だと耳で理解するわけだが、何より面白いのは、『ALL TIME BEST』以降のタームでテーマになっているであろう「リズムが主役」の楽曲である。終始エレクトロニックな音階が鳴り響く中で、ガットギターがビートになって楽曲全体を引っ張っていく構造に耳が惹かれるのが面白い。さらに比較的音圧が抑えられた楽曲から浮かび上がってくるのは、リズムが歌で歌がリズムで、というTAKUYA∞のボーカルスキルの凄みだ。抑制の効いたリズムにピタリと同化して進んでいた歌が一気にバーストし、《Super (FIRE)/精神の(FIRE)/高速で(FIRE)》と連打するセクションは、そのリリックも含めて衝撃的ですらある。

常識も正解もなく自分の意志で突き進むだけだと歌い続けるのは変わらない。が、冷静と情熱のコントラストがよりくっきりとした楽曲によって、変わらぬメッセージのさらに真ん中にある言葉のキレと、それを確実に刺す精度の高さが飛躍的に増している。(矢島大地)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする