デイヴ・グロール率いるフー・ファイターズ、またまたおもしろいことを始めてくれた。歴史的なライブ音源等をストリーミングで配信するアーカイブ・シリーズ“Foo Files”で、これはその第1弾の3曲。95年8月の英、レディング・フェスからの“ウォーターシェッド”、“フォー・オール・ザ・カウズ”というファースト・アルバム『フー・ファイターズ』からの2曲と、00年2月にオーストラリア、メルボルンで披露したサード・アルバム『ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ』の“ネクスト・イヤー”。
95年のレディングはデビュー直後で、ほぼ独力でアルバムを作り上げ、それをパフォームするためにメンバーを集め、本格的なバンドを形成した、最高に熱い時期。ニルヴァーナ最後期に一緒だったパット・スメアがいるのがおいしいところで、気合いの入りまくった爆発的な演奏が聴け、新シリーズのスタートにぴったりだ。
グランジの勢いをしっかりと引き継ぎノイジーなカッティングで攻撃性をむき出しにした“ウォーターシェッド”の突破力は、今となれば懐かしく、いまだにどこかでこれを求め続けてもいる。またイギリスではシングル・カットされた“フォー・オール・ザ・カウズ”は、ゆったりとしたテンポに始まり、進むにつれてキレまくるし、TVドラマに使われたり、宇宙飛行士に扮したMVが話題になった“ネクスト・イヤー”も忘れがたいものだろう。
なお、すでに“Foo Files”の次作『00111125 - Live In London』がストリーミング公開されていて、11年7月のロンドン、ラウンドハウスでのライブからの6曲で構成されている。確かにストリーミングですぐに聴けるのは嬉しく、今後の展開が激しく気になる。 (大鷹俊一)
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