毎日の生活がイノベーション

マボロシ『マボロシのシ』
2009年03月25日発売
初回生産限定盤(CD+DVD):KSCL-1380/1 通常盤:KSCL-1382
マボロシ マボロシのシ
Dさんの「Rec日記」を読んでいた人は、オープニングで爆笑である。杏里の“オリビアを聴きながら”大ネタ使いのループ。近頃話題のJ-POP王道コード進行ってやつだ。Dさんは「まー、使うことはないがな!」と言っていたのだが、こんなふうに人を食ったやり方で形にしてしまうのだからさすがである。シーンの閉塞感をせせら笑いながら撥ね除けて進むマボロシの姿は、相変わらず痛快。ミクスチャーのあるべき形を誇らしげに語る“雑種犬”、国内のヒップホップ・シーンに物申す“ジェイラップ”、ハードにドライブするギターに乗せて音楽の可能性を歌う“Music Is Mine feat. Crystalkay”と、有言実行なイノベーションが鳴る。一方、プライべートなテーマでメッセージを掲げる曲も多い。恋人達の倦怠期(“記念日 feat.さかいゆう”)やプロポーズ・ソング(“なんとかなんのさ”)、毎日のことだからこそ切実な“今宵の晩ごはん”など。中でもKOHEI JAPANとの兄弟ラップで聴かせる“日本の親父 昭和の親父”は、志高い音楽を作り続ける彼らの職人気質とそのバック・ボーンが垣間みられて興味深い。(小池宏和)
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