美しき新境地を見せる“Rainbow”で幕を開けるTHE NOVEMBERSの8作目のフルアルバム。『At The Beginning』というタイトルが示すとおり、バンドの新たな「始まり」を感じさせ、デジタルシーケンスとバンドサウンドのダイナミックな融合が、時に暴力的に、時に美しく様々な音像を構築し、楽曲への没入感を誘っていく。yukihiro(L'Arc~en~Ciel、ACID ANDROID)がシーケンスサウンドデザイン/プログラミングで多くの曲に参加しているという点ももちろん大きく影響する。まさに現代のインダストリアルサウンドと言える“理解者”や、胸をえぐられるようなヘヴィネスを携えた“Dead Heaven”など、見事なバランスで響きあう楽曲たち。傑作と名高い前作『ANGELS』での試みがさらに開花したかのような本作は、バンドとしての自由度もより増しているように思う。“New York”のリズムのしなやかさ、“開け放たれた窓”の無垢なポップネス等、楽曲ごとのコントラストが色濃く、けれどそれがひとつの作品として調和し、全9曲で壮大な旅をするような、濃密な体験をさせてくれるのだ。(杉浦美恵)
新たな始まりにして最高傑作
THE NOVEMBERS『At The Beginning』
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ALBUM