硬派な音で鳴る叙情的な歌

FOMARE『目を閉じれば』
発売中
EP
FOMARE 目を閉じれば
1stフルアルバム『FORCE』から約1年ぶり、そして新加入のオグラユウタ(Dr・Cho)が参加しての初作品となる本作。全6曲収録のEPは、FOMAREのロックの叙情性がひときわ胸に刺さる作品となった。3ピースで紡ぎあげるアンサンブルと、アマダシンスケ(Vo・B)の柔らかさと頑なさが同居した有機的な歌声が、前作以上の強さで響き渡る。強さというのは必ずしもラウドだとかソリッドということではなくて、確信に満ちた音と歌声がここにあるということ。表題曲は過去と現在と未来を結ぶ力強い意志の歌。そして、大切な思い出との別れや、忘れがたい追憶など儚いものへの思いを歌う“アルバ”や“銀河”へと続く。この、硬派な切なさとでも言いたくなるメロディこそ、彼らのストロングポイントだ。カマタリョウガ(G・Cho)のギターソロも、まるで歌うように「感情」を奏でていく。“長い髪”などは、ラストのアウトロにまで物語が描かれているようで、フェードアウトのその先にも思いが引きずられていく。そして、世に出ることのなかった「幻の新曲」“REMEMBER”がやはり素晴らしい。(杉浦美恵)

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