ラジオDJとしてもテレビタレントとしても大人気、さらにはDJ 松永が『文學界』で連載を始めたエッセイが、どえらく素晴らしかったりするなど、最近本業以外の躍進が目立っていた
Creepy Nutsだが、やっぱり本業がすごい! 本業最高!と、聴くと言いたくなる新作ミニアルバム。帝京平成大学CMソングの表題曲、テレビ東京『コタキ兄弟と四苦八苦』(いいドラマだった!)オープニング曲の“オトナ”、
菅田将暉とコラボした“サントラ”、菅田将暉、
亀田誠治、
ピエール中野、
スカパラ・加藤隆志、
赤い公園・津野米咲が参加したザ・
ハイロウズのカバー“日曜日よりの使者”を収録。つまり、この時点で相当強い曲ばかり揃っているわけだが、新曲3曲がそれらに全然負けていない。“サントラ”を初めて聴いた時、「自分を描く=エンタメになる」の構図の強靭さにぶっとばされたが、“耳無し芳一Style”も“Dr.フランケンシュタイン”もそうなっているし。今のCreepy Nuts、『オールナイトニッポン』と『VITAMIN』で10代20代のヒーローになった頃の
電気グルーヴと、重なって見えることがある、僕には。(兵庫慎司)
『ROCKIN'ON JAPAN』2020年10月号より