過ぎゆく季節に贈る

the shes gone『FACE』
発売中
MINI ALBUM
the shes gone FACE
RO JACK for COUNTDOWN JAPAN 17/18で優勝し、今年はSHIBUYA CLUB QUATTROワンマンをソールドアウトさせるなど、急成長中なthe shes goneの3rdミニアルバム。先行シングル曲“春の中に”から始まる5曲で、ゆるやかに流れる季節を追うコンセプチュアルな一枚だ。精一杯の勇気を持って歩き出した春、もどかしい片思いが幸せな夏、ふとしたことですれ違ってしまう秋、どうしようもない別れが訪れる冬。シズゴのラブソングは、バンド名通り哀しい終わりを予感させるような、幸せなだけではない余韻と余白が漂っている。今作では、兼丸(Vo・G)の書く日記のような歌詞の世界と、飾らない言葉にぴったり寄り添う透明度の高いバンドサウンドの一体感がさらに増加したことで、余白にある切なさも倍増。力強くもメロディアスなリズムと、全編を通して塗されたクリーンなアルペジオにギュッと心が掴まれ続ける。特にラストの(前述した冬の別れの曲である)“ディセンバーフール”は、アウトロのアルペジオが痛いほどに切なく、アルバムの再生が終わってからもしばらく浸ってしまった。(後藤寛子)

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